2010年2月5日金曜日

人の子

御自身を指す一人称として、しばしば主イエスは「人の子」という語を用いられた。
これは旧約聖書ダニエル書7章13、14節の引用である。

「夜の幻をなお見ていると、
見よ、『人の子』のような者が天の雲に乗り
『日の老いたる者』の前に来て、そのもとに進み
権威、威光、王権を受けた。
諸国、諸族、諸言語の民は皆、彼に仕え
彼の支配はとこしえに続き
その統治は滅びることがない。」

主イエスが言わんとされた人の子とは、単なる人間の子どもという意味ではないことが分かる。人間の姿を取って天父の御元から下って来た者、また、やがて雲に乗って来られ永遠にわたり統治なさる御方、その人である。したがって人の子は、本来の意味での神でいらっしゃるのだ。

イエスの在世当時またそれ以降も、自称メシア達が世にはばかっていた。そのため、メシアとか救い主とか聞いても多くの人は辟易し、またか、また偽者かと警戒するのが関の山だったわけだ。そこで主イエスは、ユダヤ人なら誰でも知っている預言の聖句を踏まえることで、御自身の神性に関する信憑性を保とうとされた。しかも字面だけ見ると自身のことを神だとは言っていないため、冒涜だ罪だと揚げ足を取ろうとするパリサイ人からの批判をかわすこともできる。信じる意志ある者には「日の老いたる者」の元から来た神の子として理解されるが、信じる意志なき者には裁きの時機まで人間として振る舞われる。

人となられたキリスト・イエスは、人間として最大限に知恵を活かしつつ、御自身の属性を世に顕わされたのである。

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