2010年1月15日金曜日

雪かきをしていると、犬の散歩の男性が立ち止まり、つぶやいて言う。「昨晩積もったよりも、これから降るほうが多いよ、この降り方だと。」

よくある会話だ。間をつなぐための常套手段は概してお天気の話。間をつなぐ必要のない散歩の途中でも、とりあえず言ってしまうのが日本人の性分である。そんなことぐらいで小休止をされたのでは、先を急ぐ犬にとってはたまったものではないだろうが。

「なるほど」と応答しつつも、私は疑心暗鬼だ。私の予感では、止みそうな気がしてならない。時には裏をかかれるという点でも、お天気は楽しい。案の定、1時間後には青空が広がった。

見慣れた光景である。教会の赤い屋根と空の色とがよく似合っている。風花が舞うのでカメラを構えるが、肉眼で見るほどには美しく捉えることができない。敷き積もった雪に身をゆだね、その柔らかさを背中で感じながら人々の優しさを慕う。流れ去る雲を眺めては、北の大地の広さを思う。いつも冬になるとこういう気分になるのは、なぜだろう。慣れには慣れたが飽きもせず、毎年毎年よくもまあ、同じようなことを考えるものだ。

『広辞苑』を引くと、「友待つ雪」なるシャレた言葉が載っていた。次の雪の降るまで消えずに残っている雪を意味する詩的な表現だが、当然のこと過ぎて、ちっとも使うに値しない。

粉雪 根雪 しばれ雪 涙も凍る旭川 春が近づき牡丹雪

案の定とは言いたくないが、数時間すると吹雪になった。雪かきの服装のままで、私は約束していた仕事のために出掛けた。うん、こういうのも冬らしくて悪くないじゃないか。

0 件のコメント:

コメントを投稿